「他人を見下す若者」とかいうくだらん本について

『他人を見下す若者』とかいう新書をまじめに読み始めたのですが、あまりのいい加減さに途中で気づいて投げ捨てました。

引退間近の大学教授が、自身の適当な思い付きを本にしただけです。タチが悪いのが、自身の主張に都合のいいエピソードを集めて、心理学用語で飾り立て、学生に実証研究させてそれっぽいデータを集め、素人を騙そうとしているところです。

データを読む訓練や、推論を行う訓練をちゃんとしたことがあれば、そのうさん臭さには遅かれ早かれ気づくはずですが、うっかり買ってしまう人の時間とお金を節約していただくべく、ここに記しておきます。


例1:「名古屋大学の学生の、サークル・体育会所属率が下がった」=>「若者が集団に属するのを嫌うようになった」

例2:「自分が若い頃は学生運動があり、学生は社会に関心を持っていた」=>「今の若者は内的エネルギーが弱っている」


「こんな主張をする教授は見下さざるを得ません」と、本人を前にして言ってあげたいです。
私は30代ですが、「他人を見下す若者」の中に入れてくれますかねえ?ついでにいうと、著者は自身が述べている「他人を見下す若者」が、どの世代のことなのかを明示していません。なんじゃそりゃ???と、言わないわけにはいきませんよね。