内定取り消しの何が悪いか

現実に潰れそうな会社くらいしか、世間の悪評や将来の人材獲得難を甘受してまで内定取り消しをするはずないわけで、「入ったところがすぐリストラ」「入ったところがすぐ倒産」よりはまし、という意見は結構妥当なんだろう。
問題は、日本企業が新卒採用に偏向しているから、取り消された彼らが、いきなり負け組の仲間入りしかねないことだろう。政治やマスコミが騒ぐのは、高齢フリーターやニートの予備軍を生み出したらイカン、という防衛本能なんじゃないかな。
反応は妥当だけど、賢くない。内定取り消しした企業を罰したり、内定取り消しを禁じたら、間違いなく別の問題が起きるはず。
内定を最小限にしたり、ギリギリまで内示に留めたり。あるいは、試用期間中の解雇が相次いだりね。
新卒に止まらず、年長の社員のリストラが発生することもあるだろう。
対策としてできるのは、せいぜい、きちんとマクロ経済の運営をして、景気が早く回復するという期待を形成できるようアナウンスして、ミクロでは新卒以外の若者の採用を促進する、新卒採用者とそういう社員を不当に差別しない、ってなもんじゃないのかな。