日本的「怪談」の正嫡と言ったら言い過ぎかな

魔障ヶ岳ー妖怪ハンター
怪奇を扱った連作です。
最近の劇画を見慣れた目からすれば、絵の下手さ加減で商業レベル以下ということになるでしょうが、物語作品としての完成度は並外れています。大きな謎が物語の進行とともに少しずつ解明されていくスリルは、よくできた推理小説のようです。キャラクターも魅力的でありながら、奇妙な存在感があります。

「一枚の絵」としての完成度に突っ走っている「バガボンド*1や、設定の複雑さ・面白さに頼る「ハンターXハンター」*2、「DEATH NOTE*3とは違う行きかたをしているわけですが、こちらのほうが物語作品として、またホラー作品として王道を行っているような気がします。

*1:あれって、完結してから一気に読まないときっと心底楽しめないよね。

*2:あれだけ伏線張ったら投げ出すよね普通。僕にはもはや商業誌に(連載枠を取って)載せておく価値が分からないです。

*3:最近の数回を見る限り、複雑な設定を異様なまでに利用しまくってる主人公とライバルの万能っぷりを、作者自身が茶化しはじめちゃってますね。