曽田正人氏の漫画は

主人公が基本的に天才で、潜在能力の高さは読者には明らか。だから、その点安心していられる(悲劇の予感というか、読んでいて不安感が少ない)のは間違いない。

だけど、いちいち主人公を襲う障害がドラマチックなので、読んでいて熱いものがこみあげてくる。熱狂を演出するのがとても上手だ。

上を目指す主人公のまわりには、いろんな大人がいて、それぞれの立場へのこだわり、誇りみたいなものをしっかり持ってる(だからこそ、大人なんだけど・・・)。主人公が何気なく示す上昇志向だったり、天才ならではの「異世界」に、最初はみんな違和感を感じるんだけど、時を経ずに徐々に巻き込まれていく様子が描かれるのも燃えるものがある。