記事の内容にも、付けられた(批判的)コメントにも驚く


四人同時骨折 それでも続く大ピラミッド 巨大化ストップの決断を(内田良) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

4人が同時に骨折したり、数か月安静にしなければならないような怪我をするような体操を、小学校がやっている、教師が研究会を開いて推進している、という事態に寒気を感じました。

たとえば建築現場で同じような事故が起きたら、その労基署が乗り込んできて、企業の安全管理について調査が入るでしょう。同じ会社が何度も起こせば問題視され、マスコミによる報道、社会的な批判も起きるでしょう。そうでなくても、そうした事故を起こせば労働保険の保険料率が上がってしまうなどの不利益が発生します。

それくらい、社会において安全は重視されるべき価値なわけです。言うまでもありませんけど。そして、学校という、安全であるべき場所、大人が子どもの安全のために努力するべき場所で、こんな無茶な指導が行われているとしたら、大問題だと思います。

ですから、著者の指摘はとても意義があるし、秋の運動会シーズンを前にニュースのトップにもってきたYahoo!はとてもセンスがあると思います。

 

しかるに、この記事を批判する人がいて、しかも批判のレベルが低いことに衝撃を受けます。

 

まず第一に、著者の意見は、タイトルに表れていて、「巨大化をストップするべき」です。「危ないことはやめろ」というふうにまとめてしまうのは乱暴で、組体操が巨大化することで、教師の安全管理の能力を超えてしまうことに警鐘を鳴らしているのです。簡単にいえば、「組体操を全部やめろ」とは言っていないんですよね。「危なすぎることは、やることによるメリットを上回るデメリットがあるよ」と言ってるんです。

 

また、他のスポーツと比較して、「水泳でもなんでも怪我人は出てる。そういうのも全部止めろというのか」なんて意見もありますが、水泳でもなんでも、4人も同時に骨折するような事故が起きたら指導、安全管理の在り方が問題視されるに決まっています。柔道なんかまさにそうした批判や検討にさらされているところですし。「危ないからダメ」ではなく、「危なすぎる・管理できてないからやめるべき」なんです。結局、程度問題なんですよね。

 

さらに、記事を書いた准教授の見た目がちゃらいからダメ、という批判をしている人までいるのには、心底驚きました。いまどき「私は人の意見の当否を、見た目で判断します」と顔出し・名前出しで断言できる人がいるとは思いませんでしたから。

 

私はこの場で顔出し・名前出しをしませんが、見た目で一発で信用されるような、立派な容姿をしていないからです。見た目で批判している人は、さぞかしご立派な、信用をおける姿かたちをしていらっしゃるんでしょう。うらやましいです。