歩きスマホを減らすには

歩きスマホをしている人にぶつかりそうになったり足止めされたりすると非常に腹が立ちます。スマホをもぎとってあっちに投げてやりたい衝動にかられます。もちろんそんなことしたら犯罪だし、そこまで悪いことしてるわけでもないので、やりませんけど。

 

でも、危ないしみっともないし、あんな振る舞いはやめたほうがよろしい。そこで、どうしたら歩きスマホを減らせるか、考えてみました。

 

まず、数ある「ながらスマホ」の中でも、「歩きスマホ」に問題を限定しました。音楽を聞きながらでも、テレビを見ながらでも、仕事中でも、それはそれで別の問題ということにしたわけです。

 

すると、「歩く」ことを減らせばよい、という対策が思いつきました。

 

そして、問題をさらに限定するために、歩きスマホは、「長距離の電車通勤・通学における、駅まで・駅から・駅間の移動」において問題になりやすい、という仮定を置いてみることにします。混雑した電車の中で、スマホを使ってゲームをしたり、SNSでやりとりしたり、動画サイトを視聴したりしている風景を思い出す限り、「電車の中でしていたこと・見ていたことを継続するために、駅まで・駅から・駅間の移動で歩きスマホをしている」という仮説は、それなりに妥当性がありそうです。

 

この仮定と、先の対策とあわせていうと、「通勤・通学のために歩く」ことを減らせば、「長距離の電車通勤・通学における、駅まで・駅から・駅間の移動中の歩きスマホの問題を減らせる」ということになります。

 

ということで、より具体的なアイデアとして、次のような対策が考えられます。

  • 出社時間の自由度をあげる。通勤電車の混雑度合いが下がり、電車内での過ごし方の自由度が上がれば、スマホをやめて他のことをする人が増える可能性がある。
  • オフィスワークのうち、自宅やコ・ワーキングスペースでできるものは、そこでやる。そもそも通勤を無くすわけです。

そもそも、歩きスマホというのは、現代の社会の構図が生み出した、おかしな行動なんじゃないかと思うのです。社会構造とは、長時間にわたる、過密な、時間に偏りのある、大量の人間の移動を必要とする、そんな社会構造です。

そして、この構造のおおもとには、日本における労働の特性があるのではないでしょうか。

社労士の勉強、労働経済の勉強をしてみて、つくづく思ったのが、現在の労働基準法が「工場における生産労働」をモデルにしているなあ、ということ。決まった時間に職工が集まり、全体で1日を始める、というモデルです。

いまや、そうやって工場で働いている人というのは少なくなっていることを考えると、労働関連の法律を見直し、あるいは企業内での労務管理・組織管理のやりかたを見直して、より時代や産業、生活に即したものに改める必要を感じます。

そうした変化が起きると、自ずと「歩きスマホ」のような変な行動が減るのではないかなあ、などと考えた次第です。