悪人列伝

先日来、復刊なった海音寺潮五郎大先生の『悪人列伝』を読んでます。


悪人列伝 古代篇


悪人列伝―中世篇

小説ではなくて、いわゆる「史伝」とか「評伝」という形式ですね。

巷で「悪人」といわれる人々について、当時の状況や周囲の思惑を丁寧に描き、論じています。
場合によっては対象の本人の人柄や行動よりも、社会情勢や関わりの強かった周囲の人間の
描写の方が多くなっていたりして、あたかも浮き彫りをするかのようです。

どの人物も自分の身近にいるような人に思われてきて、とても楽しい本です。
歴史家ではない、「小説家」の力量を見せ付けられます。

それにしても、昔の作家は偉かったんだなあと思います。
これだけの力作を、これだけたくさん書けるってすごいよねえ。