行動経済学に入門してみた

行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)
この本を読んでみたのですよ。大変面白かった。中盤ちょっと中だるみしたけど、良かった。お勧め。

最初の章で、行動経済学のパースペクティブと、その歴史が簡単に述べられているので、すぐに全体像が見えてきます。
続く各章で、行動経済学の論点が詳述されていくのですが、これが面白い。標準的な、いわゆる近代経済学が想定する「経済人」が、いかに実際の人間の行動から乖離しているモデルであるかがどしどし示されていきます。実験による検証が行われているので、これは簡単に反論できません。行動経済学いわく、「部分的に合理的」なのが人間なんだそうです(非合理でも、合理でもない)。一部はモデル化もできているようで、標準的な経済学の使用する人間のモデルが、全く違うものになる日も近いんじゃないか、とか思ってしまいました。
これってすごいことで、たとえば、経済政策・社会政策が、これまでと全く違ってしまうかもしれない、それくらいすごいことなんですよね。いやいや、楽しい勉強をしましたよ。