佐藤優という人について思ったこと

雑誌などで容貌を目にするたびに、

「なんとなく胡散臭い人だ」

「なんとなく凄みを感じる」

と思っていました。

 

「外務省のラスプーチン」なんていうおどろおどろしい仇名を聞いたことがあるせいかな・・・と思っていたのですが、著作『人に強くなる極意』を読んでみて、なんとなくその「雰囲気」の理由が分かりました。

 

彼は、僕が安住している日常的なルール、空気、文化みたいなものの、外に出たことがある人なんですね。お役所だったり、ロシアだったり、逮捕だったり。そこから「こちら側」を見ると、建前に隠された非情な現実が見えている。

 

そういう風にこちら側を見て生きている人を、逆にこちら側の私から見ると、凄みだったり、胡散臭さだったり、得体の知れなさだったり、そんなものが見えるんでしょう。そういう意味では、彼から感じるものが、アウトローに対して感じるものと似ていたのは、当たり前だったかもしれません。「僕らとは違う生き物だ」という感覚、ですね。

 

ただ、考えてみれば、世の中が変わり、国際化が進み・・・という中で、「今までの人生で慣れた、優しいルール」の外と関わらなければならない機会は、これから増えていくんでしょう。ならば、機会があるときに、「ルールの外」へはみ出す、ことによったら戦う、そんなことも選んだほうがいいのかもしれないな、と思いました。